==============
「13階段」別に死刑つながり、というわけではないんですが…(^^ゞ
えっとネタバレにならん程度のあらすじをば。
刑務所に勤める南郷は、殺人という前科を負った少年・三上と共に
死刑判決を受けたある人間の冤罪を証明する仕事を、ある弁護士から請ける。
その死刑確定囚は事件当時の記憶を失っていて、
最近になって「死の恐怖にかられながら階段をのぼる自分」の記憶だけが蘇える。
そのイメージだけを手がかりに、
二人は執行までの限られた時間で無実を証明する事が出来るのか。
本当に彼は罪を犯したのか。違うのであれば、真犯人は誰なのか。
三上少年はなぜこんな仕事を依頼されたのか。
読み進めていくうちに、どんどん世界に入っていってしまいました。
後半はとってもハラハラする展開で、あっという間に読んじゃいました。
どんな理由であれ人を殺めてしまった三上少年の罪、そして罰。
そんな彼等を見守る刑務官としての南郷さんの罪、そして罰。
被害者と加害者の思惑。
色んな思いが絡み合い、話は進んでいきます。
このお話は映画にもなってるようで、解説を書かれた宮部みゆき先生が
自分の作品が映像化された時(しかも納得のいかない出来だった場合)の
複雑な心境を「わかるわそれ~」って感じで書いています。
おいおい宮部先生…(^^ゞ
それって「模○犯」ですか「模倣○」のことですかそーなんですか(^_^;)
宮部ファンであり主演者のファンである私としても
ちょっと他人事ではなかったりします…。
主演者は好きだけど、あの映画はどうなのかと思いますし。
でも宮部ファンとしても、あの原作(小説)自体もどうなのかとも思うけどなあ~(おいこら)
話を戻して…。
とにかく、この作品はとってもオススメですのでミステリが嫌いでない方はぜひご一読ください!
あっという間に読んじゃいます!
ちなみに映画は観てませんが…観たほうがいいかな?(笑)
==============
「長い長い殺人」…画像があるのがこれしかなかったよ…。
今度は宮部つながり?(笑)
数ある宮部作品の中で、私が一番好きな作品です。
大分前に買ってるんですが、
あまりにも何度も読み返した(人に貸しまくった)ために
ボロボロになってしまったので買いなおしました(笑)
ネタバレにならん程度(略)
このお話はとっても異色です。
…といっても、話のベースはミステリものによくある連続殺人事件です。
先程書いた「模倣犯」同様、犯人が誰かという話ではなく、
どうやって犯人にたどり着くか、どうやって捕らえるかという話。
異色なのは、この作品が一人称の文章になっていて、語っているのが財布という点です。
刑事の財布、加害者の財布、被害者(達)の財布、被害者の身内の財布…。
今回の事件に係わる人間の財布達がこの作品の主人公です。
財布なので、事件の情報は持ち主以上に断片的です。
(持ち主の近くに居ないと情報入らないし…)
そんな色んな立場の財布視点での断片的な情報(&感情)を重ねていく形で、
徐々に一つの方向に話を繋げていき
ここまで見事に起承転結をつけられる宮部先生はほんとに凄い。
そして財布達の、持ち主に対する深い愛情がまた凄い!
みんな持ち主が大好きでとっても心配なんだけど、自分は手も足も出せない。
気持ちを伝える事もできない。どうにもならないもどかしさ。
それぞれの財布の個性がハッキリしていて、
そしてそれぞれの切なさが思いっきり伝わってきます。
なんか…財布に感情があったら
きっとこう思っている(思っていて欲しい)んだろうなって感じ。
こんなに切ない話はなかなかありません。
読んだ事がない人は読んでみて下さい!
タイトルに「殺人」なんてついてるけど、
そういうのを気にして読まないのは非常に勿体無い作品です!
PR